ネジマキの映画感想

旧作、新作、関係なく観た映画の感想を書いています。

傑作3Dアニメ2作目『ヒックとドラゴン2』を観た!

『ヒックとドラゴン』の続編で、海外ではアニメ界のアカデミー賞とされるアニー賞を

で2014年度の作品賞を獲得しています。その他に監督賞や編集賞など受賞。

その他ゴールデングローブ賞 アニメ映画部門でも賞を獲得していて、海外ではとても評価が高いです。

日本では残念ながらDVDスルーで劇場公開には至りませんででした。

 

 

 

監督は『リロ&スティッチ』をクリス・サンダースさんと共同監督したディーン・デュポアさん。

前作もこの二人のコンビでしたが今回は単独での監督です。

音楽はメディアベンチャーズ出身のジョン・パウエル。前作の同様、今回の作品の音楽も神がかってます。

製作は『トイ・ストーリー』などの製作もしたボニー・アーノルドさん。あと名カメラマンのロジャー・ディーキンスさんも前作から続いて今作でも撮影コンサルタントを担当しています。

 

 

前作を見ていなくてもある程度は内容はわかりますが、観ていた方が100倍くらい楽しく観れます。

なぜかというと、前作からの引用が随所に見られ、その全てがことごとく、グッとくる感じだからです。

 

たとえば前作では、冒頭でヒックのモノローグから始まり、ラストも同じようにモノローグで終わるという演出でしたが今作でも同じ構造を取り、ストレートに前作との繋がりを感じますし、一番山場の場面などもカメラワークや演出などが非常に似ている部分が多いのでそれだけでグッとくる人にはグッときます(もっともこれはあくまで眼に見えている部分でその中で行われているストーリーは別です)。

 

表面的な部分でいえば、前作同様、撮影が素晴らしいです。特に自然表現、たとえば、水、氷、炎、爆発表現などが非常に美しく、ドラゴン( 今作では大量に出て来ます)カラーリングが色彩豊かで前作以上の世界の広がりを感じます。

 

僕が感動した部分は前作からのテーマ性が一貫している部分です。

そのテーマとは「小さな表現はやがて大きな力となる」という部分です。

前作ではヒックが勇気を出しトゥースの額に手を当てる小さな動作から、この世界の価値観の一大転換を迎える部分までを描いていましたが、今作でもそれは引き続いて描いています。

 

今作で素晴らしいのは、前作では人間の世界だけでしたが、それを拡大展開してドラゴンの世界でもそれを表現している部分です。

具体的に言うとトゥースのある行動を見て他のドラゴン達がどのような行動をとるのか?

その結果どうなるのか?が今作の白眉の部分です。

 

ただ少し、文句を言うとすれば、前作が「想像を超えた傑作」だったのに対して、今作は「想像通りの傑作」だったというのはあります。

あと意外とと、アクションシークエンスが短めなのでもっとその部分を見たかったですね。

 

もっとも、作品は非常に高い水準をクリアしているので、観て損はない映画なのは間違いないでしょう。