青春アニメ映画『心が叫びたがってるんだ』を観た!
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』(以下あのはな)のメインスタッフが再集結して制作されたのが今作です。
物語にテーマは『あのはな』と非常に近いので『あのはな』が好きな人は楽しく見れるのではないでしょうか?
脚本を担当された岡田麿里さんの出身が埼玉県の秩父市のようで、『あのはな』でも今作でも舞台になっています。
今作ですが「失われた時間をどう取り戻すか?」というのが作品のテーマでしょう。
『あのはな』では小さい頃「友人の死」が発端となり中が良かった5人の友達が離散してしまい、時が流れ高校生になったその5人を中心にした物語でした、今作でも同じような物語です。
今作は主人公の成瀬が小さい頃「ある言葉」が発端となり家族が離散してしまい、時が流れ高校生になり言葉をうまく喋れなくなってしまった現在を描く物語です。
感想としては、脚本がなかなか良くできていると思いました。
まず冒頭、アバンタイトルが面白いです。
主人公の成瀬の幼少期から映画は始まるのですが、その子がメルヘンチックな女の子で山の上にあるお城に憧れて毎日、そのお城の前に行くんですが、そこはお城のような形をしたラブホテルなんです。
で(私もいつか王子様と〜)みたいな事を思いながら城(ラブホテル)の前にいると。中から車が出てくるんです。そしてその中にはなんとお父さんが!
でも成瀬は意味もわからずに(お父さんは王子様なんだ!)と思い、その事をお母さんに話してしまいます。
そして、お父さんが出て行くのですがそのお父さんが最後に主人公に投げかけるセリフがきっかけで成瀬が喋れなくなり、時が流れ高校生になったところでタイトル
『心が叫びたがってるんだ』
と出ます。
ここまでの展開が大体8分ぐらいで一気に見せてくれるので「これはとても面白い事になりそうだ!」とワクワクします。
その他も若干無理やりに物語が展開する場面もあったりはするのですが、実はその前にあった出来事に伏線になってたりもして良く出来てあると思います。
あとは、劇中で主人公達がミュージカルを作る事になるのですが、その過程の描き方が良かったです。
主人公達が過去の出来事や事柄で心に穴が空いた状態からその穴を埋めるようにミュージカルという芸術を完成させる工程は物作りの本質をなかなか上手に描いていると思います。
割とおすすめできるアニメ映画だと思いますが、主人公が序盤はメールで他者と気ミュニケーションをとるのですが、その感じとかが若干キモかったりするので、そういう部分に目をつぶれば楽しめるんじゃないかと思います。