ネジマキの映画感想

旧作、新作、関係なく観た映画の感想を書いています。

3DCGアニメーション『インサイド・ヘッド』を観た!

ピクサー最高傑作と言われている本作ですが、確かにディズニー/ピクサーの作品の中でもトップクラスに優れた作品でした。

 

 

 

世界で最も信頼の置けるアニメーションスタジオこと、ピクサー。本作はそのピクサー作品です。

監督はピート・ドクターさん。『モンスターズ・インク』『カールじいさんの空飛ぶ家』など監督されてます。僕個人では『カールじいさん~』がかなりお気に入りです。

音楽にはその『カールじいさん~』で2009年のアカデミー作曲賞を受賞しているマイケル・ジアッチーノさん。この方、2015年の前半だけでも『ジュピター』『トゥモローランド』『ジュラシックワールド』の音楽を手掛けており、多忙な方です。

日本版声優は、ヨロコビを竹内結子さん、カナシミを大竹しのぶさん、あと物語で重要なキャラクター、ビンボンを佐藤二朗さんが演じています。なかなか皆さん上手にはまっていたんじゃないでしょうか?

 

 

まず冒頭、主人公が生まれる場面からキャラクター達(感情達)の必要最低限の説明をしながら主役のライリーの成長を見せていく場面の手際の良さは惚れ惚れするぐらいよく出来た脚本と演出で進みます。例えば「思い出ボール」や「記憶の島」など脳の構造を説明するのに下手をすると少しわかりずらい、特に小さい子供にはチンプンカンプンになってしまうんじゃないかという懸念があったのですが、そこはさすがのピクサー。脳の中の構造、例えば前頭葉や海馬などの説明が専門用語ではなく全て画で見せてくれます。なので小さい子供も楽しめますし、大人も「ここが前頭葉なんだなー」とか「あれが海馬だなー」とか思いながら興味深く観れるのではないでしょうか?

そのような部分が冒頭ですべて説明されてから、タイトル『インサイド・ヘッド』と出るのがすごい。10分もないですからね。

 

その他だと全体にギャグがきいていて面白い、てか爆笑の連続です。

僕が個人的に好きなシーンは、中盤にライリー家が喧嘩をするシーンで、ライリー、お母さん、お父さんが現実世界で喧嘩をしながら、その時彼らの中の脳で起こっている場面をカットバック的な方法でみせる部分や、脳内の「イマジネーションの国」で起こるヨロコビ達がおちいるトラブルなど文章で表現できない面白さがあります。

その中にも、テーマ的は伏線がすでにはられていたりと、いちいち無駄がない。

例えば、家族の喧嘩をするシーンで誰の脳ではどの感情が指揮をとっているかなど、細かい部分で説明が無いまま観客に無意識的にテーマをすりこませるあたり、ピート・ドクター、あんた出来る男だよって感じです。

 

物語そのものは5つある感情、ヨロコビ、カナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリの持つ役割の話です。

ヨロコビ=喜びを与える

ムカムカ=嫌いなものを遠ざける

ビビリ =身を守る

イカリ =判断をする

という感じで役割を与えられているのですが、

カナシミ=?

と、なっており、カナシミの役割って何?という部分が物語の推進力になってます。

 

ネタバレにならないようにしたいのであまり深くは言えないですが、個人的に思ったメッセージは「グラデーション」こそが人格を深くして、人生を良いものに変えていくといったメッセージだと思います。

何の何に対するグラデーションなのか? それは映画館で是非確かめてほしいですな。

 

あと、この映画には「ビンボン」というキャラクターが出てきますが、僕が今年見た映画のキャラクターでダントツに切ないキャラでした。